ショッキングなニュースです。
オーストラリア、ニューサウスウェールス州の農相サンダース氏は、ニューカッスル周辺にてミツバチに寄生するバロアダニを確認したと発表しました。
これにより、現在NSW州での養蜂と巣箱の移動が禁じられています。
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オーストラリアは今までバロアダニのいない世界最後の大陸として認められてきました。これにより、ミツバチの育成(養蜂)に抗生物質を使う必要がなかったのです。
それが今までオーストラリアのハチミツの安全性、クオリティを底上げしていました。
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シドニーから150Kmほど北にあるニューカッスルは貿易の港町として知られています。恐らくなんらかの理由で船にミツバチのコロニーがあってオーストラリアにたどり着いたのではと言われています。
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このダニがミツバチの巣箱に寄生すると成虫が弱るだけでなく、幼虫にも寄生するので成虫になれず、やがて巣ごと滅びてしまいます。
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ミツバチはアーモンド、ブルーベリー、アボカド、リンゴなど多くの農作物の受粉を担っています。
あと1ヶ月ほどで春の受粉の季節になり、養蜂家たちは「ミツバチのレンタル」のためにオーストラリア中に巣箱を移動しはじめます。
もしバロアダニに感染した巣が1つでも農園に入れば、その影響はオーストラリア中に広がるリスクを秘めています。
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農相のサンダース氏は今回のバロアダニによって、年間7000万ドルの損失をもたらすと述べています。
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その為このダニがオーストラリア中に蔓延しないよう、なんとしても食い止めなければいけません。
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そこで、ニューカッスル周辺地域の全てのミツバチを殺処分する指示を出しました。涙
全ての蜂の巣を確認する為、警察や州職員が1軒1軒訪問しているそうです。
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本来なら受粉の時期のレンタルは養蜂家にとって大きな収入源になるので、全て殺処分とは、非常に厳しい措置となります。
慌ててこっそりと州外に巣箱を持ち出そうとしている養蜂家もいるようですが、それはバロアダニの脅威をオーストラリア中に広げることに繋がるので大変リスクがあります。
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Save the bees Australiaのサイモンは、自身のインスタグラムに、
「またこのダニがどこの国から入ってきたのかも確認が必要です。
もしダニ駆除のために抗生剤や化学薬品が使われている地域からのものだった場合、すでに薬品に対して耐性を持っている可能性もあるので、容易に根絶することができないリスクがあります。
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オーストラリアはヨーロッパやアメリカと比べて寒暖の差が少ない気候のため、冬の時期でも「ダニが少なくなる」ことがあまり無いかもしれない。」と書いていました。
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昨日のブッシュウォーキングでも、ミツバチが花に群がって蜜を集めていました。それを思い出すと胸が痛くなります。
しばらくの間、NSWでミツバチが見れなくなるのでしょう。
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夏の長雨の被害などで、現在お野菜が高騰しています。
それに加えてミツバチの受粉がなくなるとなると、農家の方達も踏んだり蹴ったりです。
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ただ、私は信じたい。
オーストラリアのミツバチは、今までバロアダに駆除用の薬剤は使われていませんでした。(農薬にはまみれていますが。。。)
だからこそ丈夫で元気なミツバチばかりで、この苦難も乗り越えて、また復活するでしょう。
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本当に早くこのダニの侵入が制御されますように。
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